10月の役員会の終わりに、会長から「来年の会計さんが困らないように、無料のソフトにできないか」と話が出ます。調べる役を頼まれて、家で「自治会 会計ソフト おすすめ」と検索します。並ぶのは会社向けの会計ソフトの順位表と、名前を聞いたことのない無料のソフトです。どれが無料のまま使えるのか。来年の人に何を渡せばよいのか。そこはどこにも書いてありません。

自治会の会計の道具は、5種類に分けられます。紙の帳簿、Excel、パソコンに入れる無料のソフト、有料のソフト、クラウドの会計サービスです。比べる軸は5つで、いちばん差が出るのは「来年の後任に何を渡すか」でした。どれを選んでも、年度末に帳簿をファイルに書き出し、印刷して綴じておけば、道具が使えなくなっても困りません。

先にお断りしておきます。私たちは、自治会の会計をクラウドで扱う「自治会総合支援サービス」を作っている会社です。下の表には私たちの製品の行もありますが、ほかと同じ軸で、公式ページに書いてあることだけを並べました。Excelで足りる自治会には、Excelを勧めます。

自治会の会計の道具は5種類。比べる軸は、費用より先に「後任に何を渡すか」

パソコンに入れて使う道具を、ソフトと呼びます。帳簿を運営会社のコンピューターに置き、インターネットを通して使う形はクラウドです。5種類の分け方は、この2つに紙とExcelを足した私たちの整理です。

比べる軸は5つ。費用・動く機械・後任に渡すもの・手元に残せる形・来年も動くか

費用は誰でも最初に見ます。ただ、会計はいつか必ず次の人に替わります。そのとき後任が受け取るのが、ファイルなのか、パソコンなのか、合言葉なのか。ここが道具の種類ごとにいちばん違います。

残りの3つは、後任が困らないための軸です。後任の機械で動くか。帳簿を紙やファイルで手元に残せるか。来年も同じ道具が使えそうか。この3つを、公式ページの記載で確かめました。

会社の会計ソフトは、仕訳や消費税のための道具です。自治会の出納帳と収支報告書には大きすぎる、と私たちは考えています。そのため表には入れていません。

公式ページで確かめた比べ表(2026年10月6日)

2026年10月6日に各公式ページで確かめた内容です。料金や機能は変わることがあります。使う前に公式ページで確かめてください。表の並びは順位ではありません。

種類(例)費用動く機械後任に渡すもの手元に残せる形来年も動くかの手がかり
紙の帳簿(ノートの出納帳)帳簿代だけ機械は要らないノートと領収書の綴り紙そのもの機械に左右されない
Excel(宇都宮市・倉敷市が配る会計簿、このサイトの会計ブック)無料(Excelは別に要る)Excelが入ったパソコンファイルと、印刷した帳簿Excel・印刷市のページの更新日は宇都宮市2024年3月8日、倉敷市2025年1月25日。両市とも「お使いのパソコンのバージョンによっては」と注意
パソコンに入れる無料のソフト(大菜会計。窓の杜の掲載)無料Windows(掲載の対応はWindows 10まで)ソフトを入れたパソコンごと、または後任のパソコンへソフトと記録を移す。移し方は確かめられませんでした決算レポートを紙かPDF掲載の最新版は2019年5月9日
パソコンに入れる有料のソフト(会計係さん7)買い切り25,740円(マニュアル・送料・消費税込み)Windows 11・10同上。後任のパソコンへの移し方は、公式ページで確かめられませんでしたExcelへの出力の記載あり。PDF・CSVは公式ページで確かめられませんでした販売会社名(株式会社コミュニティソフト)の明記あり。60日有効の体験版
クラウドの会計サービス(ちまたの会計)「登録費・利用料・年会費などで料金はかかりません」Windows・Mac・スマホ・タブレットログイン情報。「登録したアカウントは後任者へそのまま引継ぎできます」PDF・Excel・CSV(帳簿の種類による)代表者名と、寄付を含めた支援とスポンサーで運営していることを明記
クラウドの会計サービス(チーム会計)「ずっと無料」。クレジットカード不要。無料プランは上限つき(会費の会員20名、過去データの閲覧3年など)スマホ・タブレット対応(パソコンのブラウザでも使える)後任を共有の相手に加える。「役員同士でデータを共有」PDF・Excel運営会社名は、トップ・機能・プライバシーポリシーの「事業者情報」で確かめられませんでした
クラウドの会計サービス(自治会総合支援サービス。私たちの製品)FREEプランは「期限なし・カード登録不要」スマホ・タブレット・パソコン「役員が交代してもそのまま次の方へ引き継げます」出納帳はCSV、収支報告書はExcel。どちらも印刷できる(FREEプランを含む)運営はアストラスクエア(私たち)

現金の出し入れが月に数回の自治会なら、紙かExcelで足ります。これは私たちの考えです。Excelを選ぶ場合、どのテンプレートにするかは会計テンプレートの比べ方に書きました。紙で続けるなら、出納帳の書き方が手引きになります。

無料かどうかは、会費収入と並べて見ます

30世帯・会費5,000円の自治会を例にします。1年の会費収入は150,000円です。有料のソフトを買い切りの25,740円で買うと、1年目の会費収入の17.2%にあたります。5年使うなら1年あたり5,148円で、会費収入の3.4%です。

もう1つ、予算と並べます。このサイトの会計ブックの記入例では、事務経費の予算が20,000円でした。25,740円は、その1年分を超えます。予算に無い支出になるので、役員会に出して決めることになります。予算の流用や補正の扱いは、規約と予算書の決まりに従ってください。

無料の中身も、道具ごとに違います。ちまたの会計は寄付を含めた支援とスポンサーで運営されています。チーム会計は「ずっと無料」で、無料プランは基本機能を上限つきで使う形です。私たちのFREEプランは期限なしの無料で、出納帳から収支報告書までを扱います。市が配るExcelの会計簿は無料でも、Excel自体は別に要ります。

無料のものには件数の上限があることもあります。ちまたの会計の機能一覧には、伝票が1団体・1会計期で最大2,000枚とあります。会計ブックの記入例では、1年の出し入れは現金出納帳27行と通帳出納帳15行の計42行でした。この規模なら上限には届きません。チーム会計の無料プランは、会費の会員が20名まで、過去データの閲覧が3年までです(料金ページ)。

来年の後任に渡すのは、ファイルか、パソコンか、ログイン情報です

Excelなら、渡すのはファイルと印刷した帳簿です。USBメモリかメールで渡せますが、後任のパソコンにもExcelが要ります。宇都宮市は市のページで、会計簿のマクロ版に「お使いのパソコンのバージョンによっては、ボタン操作ができない場合があります」と注意を書いています。倉敷市も「関数が表示されない場合があります」としています。後任の機械で開けるかを、渡す前に一度試してください。

パソコンに入れるソフトは、もう一段重くなります。ソフトを入れたパソコンごと渡すか、後任のパソコンにソフトと記録を移すかです。移し方は製品の案内によります。後任のパソコンがWindowsでなければ、そもそも入りません。

クラウドで渡すのは、ログイン情報です。名前と合言葉を入れて中に入ることをログインと呼び、その合言葉がパスワードです。ちまたの会計は「登録したアカウントは後任者へそのまま引継ぎできます」と書いています。後任を共有の相手に加える形の道具もあります。

ログイン情報は、引き継ぎ書に「どこに保管しているか」だけを書きます。パスワードそのものを回覧には載せません。書く欄は役員引き継ぎ書の「書類・物品」の表が使えます。渡し方は会計の引き継ぎと同じです。

帳簿が会計1人のパソコンにしか無いと、ほかの役員は中身を見られません。会長か監事も見られる形にしておきます。一人でお金を出し入れできない形にするための一歩です。

後任に渡すもの

Excel

  • ファイルと、印刷した帳簿
  • 後任のパソコンにExcelが要る
  • 後任の機械で開けるかを試す

パソコンに入れるソフト

  • パソコンごと渡すか、ソフトと記録を移す
  • 後任のパソコンがWindowsかを確かめる

クラウド

  • ログイン情報か、後任を共有の相手に加える
  • パスワードは引き継ぎ書に置き場所だけ書く

来年も動くかは、公式ページの更新日と対応するパソコンで見当をつける

窓の杜の掲載で大菜会計を見ると、最新版は2019年5月9日、対応はWindows XPからWindows 10までです。Windows 11の名前はありません。動かないとは書いていませんが、入れる前に今のパソコンで試す必要があります。

そのWindows 10は、2025年10月14日にサポートが終わりました。Microsoftのサポートページによると、以後はセキュリティ更新プログラムが届きません。延長の仕組み(ESU)に登録した場合は別です。パソコン自体は動き続けます。それでも、古いパソコンに古いソフトを残して使い続ける形は、私たちは勧めません。

Excelにも気をつける点があります。Excelの中で決まった操作を自動で行う仕組みを、マクロと呼びます。インターネットから入手したファイルのマクロは、既定で止まります(Microsoft Learn)。宇都宮市の手引きも、5ページで「Microsoftによりマクロの実行がブロックされました。」と出たときの設定を説明しています。詳しくはExcel記事の「マクロ入りのテンプレートを選ばない理由」の節に書きました。

クラウドは、運営者の名前と運営の仕方が公式ページにあるかを見ます。ちまたの会計は「私たちについて」に代表者名を載せ、2016年12月のリリースと書いています。チーム会計は、トップと機能のページ、プライバシーポリシーの「事業者情報」では運営会社名を確かめられませんでした。

有料のソフトは、買う前に試せることがあります。会計係さん7には60日有効の体験版があり、公式ページは「製品版と同じもの」としています。どの道具でも、今のパソコンかスマホで出納帳を1行書いてみてから決めてください。

どれを選んでも、3月31日に締めたらファイルに書き出し、印刷して綴じる

無料のサービスが終わったとき、記録をどう受け取れるか。ちまたの会計の「私たちについて」には、その記載がありませんでした。ほかの道具も、公式ページで確かめられた範囲にはありません。

だから年に1回、手元に残します。どの道具を使っていても、3月31日に締めたら出納帳と収支報告書を書き出し、印刷して綴じてください。 書き出せる形は、ちまたの会計がPDF・Excel・CSV、チーム会計がExcel・PDFです。私たちの製品は出納帳がCSV、収支報告書がExcelで、どちらも印刷できます。LPの機能一覧では、どちらも「基本機能」の行にあります。LPは「会計・行事管理などの基本機能は、地域活動の応援のため無料で提供しています」と書いており、FREEプランで使えます。大菜会計の決算レポートは紙かPDFです。Excelはそのまま印刷できます。CSVは、表の中身を文字だけで保存したファイルです。

印刷した帳簿は、監事の印をもらう決算の書類と一緒に綴じます。ファイルはパソコンとUSBメモリのように2か所に置きます。

年度末の書き出し4段
  1. 書き出す
    出納帳(現金・通帳)と収支報告書を、道具が出せる形(Excel・CSV・PDF)で書き出す
  2. 印刷して綴じる
    監事の印をもらう書類と一緒に綴じる
  3. ファイルを2か所に置く
    パソコンとUSBメモリなど、別々の場所に置く
  4. 後任にファイルと紙の両方を渡す

紙に残しておけば、監査もいつもどおり受けられます。杉並区の経理システムのマニュアルは、伝票処理と通帳処理のシートを印刷し、「入出金伝票および普通預金通帳内容と照合する」形を案内しています(13ページ)。並べる書類は監査の準備と同じです。

会費の集金簿まで入れるなら、パスワードと見られる人を先に決めておく

道具によっては、世帯の名前を入れられます。大菜会計は世帯・役職・班を管理し、班ごとに納付書と領収書を印刷できます。チーム会計にも、名簿・会費・未払いの一覧があります。無料プランで会費を管理できる会員は20名までです。

自治会も、規模にかかわらず個人情報保護法の対象です。多摩市のページは「自治会・町内会等を含む、個人情報を取り扱う全ての事業者に個人情報保護法が適用されます」と書いています。名簿の扱いとしては「パソコン上の名簿はパスワードを設定する」こと。「万が一漏えいや紛失した時に、誰に報告するかあらかじめ決めておく」ことも挙げています。

会計の帳簿だけを道具に入れ、名簿は紙のままにする分け方もあります。名簿まで入れなくても、出納帳と収支報告書は作れます。

道具を替えるのは4月1日から。役員会で決めて、1月から試しに並べて書く

年度の途中で替えると、1年分の収支報告書を2つの道具から作ることになります。替えるのは4月1日からにしてください。科目の名前も前年度に合わせます。

新しい道具の初めの残高は、前年度の次年度繰越金と同じ金額です。引き継ぎの日に、通帳残高・手元現金・次年度繰越金の3つの数字を並べて確かめます。

10月に話が出たなら、11月までに候補を2つに絞り、12月の役員会で決めます。費用が出るなら、予算の扱いもそこで決めます。1〜3月は今の帳簿と並べて、1か月分だけ試しに入力します。4月1日に始め、総会で道具を替えたことを報告します。この並びは私たちの提案で、手引きに根拠があるものではありません。

10月から4月までの切り替え
  1. 10〜11月
    候補を2つに絞り、比べ表を役員会に出す
  2. 12月
    役員会で決める。費用が出るなら予算の扱いも決める
  3. 1〜3月
    今の帳簿と並べて、試しに入力する(1か月分でよい)
  4. 4月1日
    前年度の次年度繰越金を初めの残高にして始める
  5. 総会
    道具を替えたことを報告する

役員会に持っていく「比べ表」をExcelで用意しました。比べ表のシートに、候補1〜3の道具の名前を書きます。確かめることは8つで、「どこを見るか」の列に公式ページのどこを見ればよいかを添えました。答えは「はい・いいえ・分からない」から選びます。費用の計算のシートは、最初に払う額・毎年払う額・使う年数を入れると、合計、1年目の負担の割合、1年あたりの額が出ます。

自治会_会計の道具_比べ表.xlsx空のファイルです。マクロなし、シートは3枚(使い方 / 比べ表 / 費用の計算)。入力するのは色と枠の付いたセルだけです。テンプレートをダウンロード
自治会_会計の道具_比べ表_記入例.xlsx の見本。1 枚目のシートの上部自治会_会計の道具_比べ表_記入例.xlsxこの記事の例(30世帯・会費5,000円)を入れたファイルです。見本の画像は比べ表のシートです。テンプレートをダウンロード

記入例では、候補2の「パソコンに入れる有料のソフト」の費用の計算が、合計25,740円、1年目の負担の割合17.2%、1年あたりの額5,148円になります。「はい」の数で順位は付けていません。「いいえ」と「分からない」の項目を役員会で相談するための表です。決めるのは役員会です。

私たちの立場。月に数回の出し入れならExcelで足り、後任に渡す手間を減らしたいならクラウド

紙かExcelで回っている自治会は、それを続けてよいと思っています。Excelにするなら、このサイトの会計ブックが4月1日の残高から使えます。

後任に渡す手間を減らしたいなら、クラウドが候補になります。私たちの製品もその1つです。FREEプランで出納帳を入力すると、収支報告書まで自動で作られます。スマホ・タブレット・パソコンで使えます。

弱いところもあります。インターネットにつながる機械が要ります。記録は私たちの運営するコンピューターに置かれます。ほかのクラウドと同じく、年度末の書き出しと印刷は続けてください。

次の役員会までにやることは1つです。比べ表に、今の道具と候補を1つ書いて持っていってください。

よくある質問

無料の会計ソフトは、なぜ無料なのですか。急に使えなくなることはありますか。 道具ごとに違います。寄付やスポンサーで運営するもの、有料のプランと並べて無料のプランを置くものがあります。終わったときの記録の扱いは公式ページに無いことがあるので、年度末に帳簿をファイルに書き出し、印刷して綴じておいてください。

Macやスマホでも使えますか。 道具によって違います。ちまたの会計はWindows・Mac・スマホ・タブレット、会計係さん7はWindows 11・10です。大菜会計は、窓の杜の掲載ではWindowsだけです。私たちの製品はスマホ・タブレット・パソコンで使えます。市が配るExcelの会計簿は、各市の注意書きを見てください。

年度の途中からでも乗り換えられますか。 私たちは4月1日からをおすすめします。途中で替えると、1年分の収支報告書を2つの道具から作ることになります。どうしても途中なら、4月からの出し入れをすべて新しい道具に入れ直します。取り込みの機能があるかは、各公式ページで確かめてください。

ソフトの代金を自治会費から払ってよいですか。 規約と予算の決まりに従って、役員会で決めます。

ソフトにすると、監査のやり方は変わりますか。 印刷した帳簿を通帳・領収書と照らす点は変わりません。監査のやり方は規約に従います。

出典

いずれも2026年10月6日に開いて確かめました。

この記事はAIが下書きし、運営者が内容を確認して公開しています。制度や手続きは自治体や団体の規約によって異なります。