4月の総会で、PTAの会計に決まりました。受け取ったのは前年度の出納帳と決算報告書、領収書の封筒です。出納帳をめくると、4月に「保険料」、5月と6月に「上部団体会費」の行があります。何のお金で、今年も自分が払うのか。秋にも監査があるのか、いつ忙しいのかも、まだ分かりません。

PTAの会計の仕事は、会費を預かって出し入れを帳簿に書き、決算書を作って監査と総会で報告することです。調布市立上ノ原小学校PTAが公開している資料は、会費を集める4〜5月と、決算と監査の2〜3月を忙しい時期に挙げています。PTAならではの仕事もあります。P連(市や区のPTA連絡協議会)の会費やPTA保険、安全会など、外へ払うお金は春に集まります。安全会は、PTA活動中のけがなどに見舞金を出す仕組みです(茨城県や横浜市の例)。

私たちは会計の道具を作る会社の編集部で、学校や教育委員会の担当ではありません。以下で引く規約や資料は、横浜市立桜台小学校PTAと上ノ原小学校PTAの、1校ごとの例です。桜台小の規約・細則は令和2年4月1日版で、今の版と違う可能性があります。例の学校は、児童300人・会員260世帯・会費1家庭 年3,000円とします。

PTA会計の1年(公開されている規約と資料の例)
  1. 4月(1学期)
    総会の後に通帳と帳簿を受け取り、PTA保険の手続きをする
  2. 5〜6月
    会費の振込を確かめ、安全会やP連に払う(払う月は私たちの例)
  3. 通年
    出し入れを書く。転入・転出した家庭の会費を手続きする
  4. 11〜12月
    前期の監査を受け、中間の決算書を出す
  5. 1〜3月
    卒業記念品、来年度の予算案、3月31日の締め
  6. 翌年4月
    後期の監査、総会での決算報告、次の会計への引き渡し

PTAの会計は何をする役ですか

会費を預かり、出し入れを書き、決算を報告する役です。

神奈川県教育委員会の『PTA活動のためのハンドブック』は、役員の任務の表で会計をこう書いています(第2章 9ページ)。「金銭出納や、会計関係の帳簿の整理・保管、会計報告などの会計事務を処理します」。続けて「予算の立案時には、会長や各委員会を補助します」。

細かい仕事は、桜台小の細則 第6条4と、上ノ原小の資料「PTA本部役員の活動内容紹介」から並べました。左の列の言葉は、2つをそろえるための私たちのまとめ方です。

2つのPTAの資料にある会計の仕事

仕事桜台小 細則 第6条4上ノ原小の資料時期(上ノ原小)
予算案を作る年初にPTA会計の予算案作成来年度の予算案作成2月〜4月
会費の管理PTA会費の使途の適否に関する管理PTA会費徴収の準備、振込確認4月〜5月
委員会に活動費を渡す(記載なし)本部役員に渡す部会活動費の準備4月
支払いと精算慶弔金、必要経費、各種運営費の支払い現金(手元金)の管理、消耗品の精算、各活動費の精算通年
通帳と帳簿PTA会計通帳の管理、会計帳簿(決算書共)の保存(6年間)PTAの口座管理、出納帳の管理通年
保険・安全会横浜市安全教育振興会の会費・通帳の管理PTA傷害・賠償責任保険契約・手続き4月
転入・転出(記載なし)転出入生への対応、PTA会費の手続き通年
卒業記念品・周年周年事業の決算書のチェック及び管理6年生への卒業記念品準備1月〜
中間の決算と監査中間会計決算書の作成、前期・後期に会長・監査同席のもと会計監査(記載なし)
年度末の決算と監査年度末には決算報告書を作成決算、会計監査に向けた準備1月〜3月

表は指で横に動かすと、右の列が見えます

出典: 横浜市立桜台小学校PTA細則(令和2年4月1日版)第6条4、調布市立上ノ原小学校PTA『PTA本部役員の活動内容紹介』4. 会計。時期の列は上ノ原小の資料の記載で、空欄は記載なし

範囲は、規約と細則でPTAごとに違います。表のうち、日々の帳簿に数字を入れる所はPTA会計テンプレートの記事に、領収書の番号の振り方は出納帳の記事にある領収書の節に書きました。自治会の会計の1年は、自治会の会計の仕事を書いた記事にあります。

1年で忙しいのは、4〜5月と2〜3月です

上ノ原小の資料はQ&Aで、忙しいのは「PTA会費徴収の時期(4月~5月)、そして年度末の会計監査の時期(2月~3月)」と答えています。年度末の流れは「2月中旬から出納帳の台帳仕上げ、決算書作成を行います。3月上旬に会計監査を受けて」と続きます。

奈良県PTA協議会のサイトにある研修資料も、4〜5月を予算作成と総会準備、2〜3月を決算・監査と引き継ぎの時期にしています(8枚目)。大阪教育大学大学院の若杉祥太さんの資料で、公的な基準ではありません。

PTAで違いが出るのは、監査の回数と時期です。桜台小の規約は「11月・4月の定期監査」を定めています(第16条2)。上ノ原小の資料に出てくる監査は、3月上旬です。横浜市立能見台小学校PTAの規約は10月と3月です(第12条3)。

4月は総会も重なります。桜台小の規約では、年度始総会で監査を経た決算を報告し、任期は4月1日に替わります(第15条5・第14条)。前の会計と新しい会計が重なる間の数字の扱いは4月の重なりの節に、監査の日に見るものは監査の当日の節にまとめました。

自分のPTAの監査が年に何回、いつあるか。これは規約の会計監査の条で確かめます。

学校が集めるお金も、PTAの会計が扱いますか

扱いません。教材費や児童会費は学校が集めるお金で、PTAの会計が預かるのはPTAのお金だけです。

区分の根拠は、高松市教育委員会の『学校徴収金等取扱マニュアル』1ページの表です。保護者が負担するお金(私費)を3つに分けています。1つ目の「学校徴収金」は、個人のものになる教材費、調理実習費、校外活動・修学旅行費、児童・生徒会費などです。日本スポーツ振興センター共済掛金(保護者等負担分)もここに入ります。2つ目の「団体会計」がPTA会計や後援会会計で、3つ目は標準服や体操服などの「指定物品」です。文部科学省の2025年4月30日の通知も、学校徴収金の例に同じ掛金を挙げています(2ページの注5。PTA会費の扱いを決めた通知ではありません)。

紛らわしいのは保険です。学校の災害共済の掛金は学校のお金、PTA保険や安全会の負担金はPTAの側のお金です。桜台小の規約 第7条2も、学校管理下と学校管理下外を別の制度として書いています。学校管理下は「登校-学校にいる時間-下校」、つまり家を出てから帰り着くまで。学校管理下外は、帰宅してから次に登校するまでです。

奈良県PTA協議会のサイトの研修資料は、「PTA口座と学校口座は絶対に分ける(共用不可)」としています(4枚目)。受け取った通帳に教材費などが混ざっていないかは、最初に見ておきます。口座と科目の分け方はPTA会計テンプレートの4月の節にあります。

PTAのお金と学校のお金

PTAの会計が扱う(団体会計)

  • PTA会費
  • PTA会費から払うP連の会費・PTA保険
  • 周年などの特別会計

学校が扱う(学校徴収金)

  • 教材費・修学旅行費
  • 児童・生徒会費
  • スポーツ振興センターの共済掛金(保護者の負担分)

P連の会費とPTA保険は、春に外へ払うお金です

出納帳の「上部団体会費」と「保険料」の行は、PTAが外の団体へまとめて払ったお金です。

神奈川県のハンドブックは、学校ごとのPTAを「単位PTA」と呼び、「県や各市町村の連絡協議会もあります」と書いています(第2章 7ページ)。

単価まで書いた規約の例が、桜台小の第7条です。

  • 2項: 保護者会員は全て横浜市安全教育振興会に入り、賛助会費は1家庭 年500円
  • 3項: 横浜市PTA連絡協議会の小学校の会費は「基準児童生徒数×(75円/年)」。PTA団体傷害保険(1世帯 年68円)とPTA賠償責任保険(1児童 年131円)にも入る
  • 4項: 保土ヶ谷区PTA連絡協議会の会費は「①1単位PTAあたり5,000円+②基準児童生徒数×(50円/年)」

3項と4項の分は、PTA会費に含まれると規約にあります。2項の賛助会費は、PTA会費とは別の額です。細則は会計の仕事に振興会の「会費・通帳の管理」を挙げています。そこで私たちは、会員から預かって送るお金と読みました。

この単価を、例の学校に当てはめます。規約は基準児童生徒数を何月何日の数とするか書いていないので、児童数300人をそのまま使いました。

外へ払うお金の計算例

払う先数え方単価数金額PTA会費から払うか
市のPTA連絡協議会の会費児童数75円30022,500払う
区のPTA連絡協議会の会費1校5,000円+児童数50円30020,000払う
PTA団体傷害保険世帯数68円26017,680払う
PTA賠償責任保険児童数131円30039,300払う
PTA会費から払う分99,480
安全教育振興会の賛助会費世帯数500円260130,000会員から預かって送る

表は指で横に動かすと、右の列が見えます

横浜市立桜台小学校PTA規約(令和2年4月1日版)第7条の単価を、児童300人・会員260世帯の学校に当てはめた例。今の額や、ほかの市の額ではありません

会費が1家庭 年3,000円(桜台小 第9条1)なら、260世帯で780,000円です。PTA会費から外へ払う99,480円は、その12.8%に当たります。

数える日が決まっている制度もあります。茨城県PTA連絡協議会の「PTA安全互助会」では、払込票の会員数は「5月1日現在の会員数を記入願います」とあります(Q&A 37)。負担金を納めていない保護者は、補償を受けられません(Q&A 15)。

払う時期は、上ノ原小の資料では保険の契約と手続きが4月です。P連の会費を払う月は、桜台小の規約にも上ノ原小の資料にも書いてありません。テンプレートの記入例では6月にしましたが、これは私たちの例です。単価と時期は、前年度の出納帳と、P連や保険の案内で確かめます。 会計が替わったことを相手に伝える手順は、P連や保険の連絡先の節にあります。

年度の途中で転入・転出した家庭の会費は、どうしますか

規約に月割りの決まりがあれば、そのとおりに受け取り、返します。桜台小の規約 第9条4は、こう定めています。「転入については、転入した月から3月までの会費を徴収し、転出については、転出した翌月から3月までの会費を返納する。(横浜市安全教育振興会の会費については返納しないものとする。)」

会費は1家庭 月250円(第9条1)なので、10月に転出した家庭には、11月から3月の5か月分を返します。月250円×5か月で1,250円です。10月に転入した家庭からは、10月から3月の6か月分、1,500円を受け取ります。

外へ送ったお金は戻らないことがあります。茨城県の安全互助会も「一度納入した会費(負担金)は返還されないこともございます」と書いています(Q&A 37)。

返す決まりが無い規約もあるはずです。神奈川県のハンドブックは、PTAは任意の団体で、入るかどうかは一人ひとりの意思によるとしています(第1章 3ページ)。奈良県PTA協議会のサイトの研修資料は、「よくある誤解」に「年度途中で退会しても返金しないのは不当」を挙げ、「規約に返金条件が定められていれば問題なし」としています(5枚目。研修資料の見解)。規約に無ければ、運営委員会で決めて議事録に残す。これが私たちの提案です。

卒業記念品は1月から。周年行事は通帳が別になることがあります

上ノ原小の資料は「6年生への卒業記念品準備」(1月~)を3人共通の活動に挙げています。桜台小の細則 第3条にも「入学・卒業祝」の表があり、PTA名義の名札・卒業証書ホルダー・生花・胸花が並びます。

1月に決めておきたいのは、数と金額です。記念品は会員の子どもの数でなく6年生全員の数で数えます。理由と計算は、卒業記念品の節に書きました。

周年行事のある年は、もう1冊の帳簿が加わります。京都市PTA連絡協議会と京都市教育委員会のガイドラインには「PTAが管理する通帳は、一つとは限りません」とあります(5ページ)。同じ箇所が例に挙げるのは、周年事業や教育振興に係る特別会計の通帳です。

受け取った通帳が何冊あるかは、4月のうちに数えます。全部の通帳と持つ人の一覧は通帳は1冊とは限らない節で作れます。

1年の仕事表をダウンロードし、去年の出納帳から外へ払った行を写す

ここまでの仕事を、Excelの「PTA会計の1年の仕事表」にまとめました。シートは 使い方 / 1年の仕事 / 外へ払うお金 の3枚です。「使い方」には、手順ごとに何をして、どこに入れるかを書きました。

PTA_会計の1年の仕事表.xlsx の見本。1 枚目のシートの上部PTA_会計の1年の仕事表.xlsx本番用の空のファイルです。画像は「1年の仕事」のシートです。マクロなし、シートは保護してあります(パスワードなし)。テンプレートをダウンロード
PTA_会計の1年の仕事表_記入例.xlsx の見本。1 枚目のシートの上部PTA_会計の1年の仕事表_記入例.xlsxこの記事の例(2026年度、児童300人・会員260世帯)を入れたファイルです。画像は「外へ払うお金」のシートです。テンプレートをダウンロード

「1年の仕事」の列は 順 / 学期 / 月 / 年度 / 年月 / 仕事 / 一緒にする人 / くり返し / 関連記事 / 根拠 / 済んだ日 / 状況 です。B2に年度の始まる年(2026年4月からなら2026)を入れると、「年月」が出ます。済んだら「済んだ日」に日付を書くと、「状況」が「未」から「済」に変わります。脇の小表には、未の数・済の数と、1学期の未・2学期の未・3学期の未・年度明けの未が出ます。

「外へ払うお金」には、会員の世帯数・児童数・1世帯の年の会費の3つを入れます。主表の列は 払う先 / 何のお金 / 区分 / 数え方 / 単価 / 1校あたりの額 / 数 / 金額 / 根拠 / 払う月 / 前年度の出納帳の科目 / 払った日 / 状況 です。区分で「PTAの支出」か「預かって送る」を選ぶと、下の小表に年の額と、会費に対する割合が出ます。

PTAの作業時間を書いた資料が見つからなかったので、この仕事表は時間を数えず、学期と一緒にする人の列を付けました。

今日やるのは1つです。前年度の出納帳から「保険料」「上部団体会費」など外へ払った行を探してください。見つけたら「外へ払うお金」のシートに、払う先と単価、前年度の出納帳の科目を写します。

よくある質問

PTAの会計は何人でやりますか。 規約で決まります。横浜市立桜台小学校PTAの規約は「会計 3名(保護者2、教職員1)」です(第12条4)。調布市立上ノ原小学校PTAの資料も、会計の仕事を「3人共通の活動」と「担当を決めて行う活動」に分けています。どちらも1校の例で、人数の決まりではありません。自分のPTAは、規約の役員の条で確かめます。

PTAの会計の任期が終わった次の年は、どうなりますか。 上ノ原小学校PTAの資料は、会計の任期は1年で、次の年度は会計監査になると書いています。これも1校の例です。自分のPTAで次の年に役が続くかは、規約の役員と会計監査の条で確かめてください。

PTA保険と、学校の災害共済は何が違いますか。 学校の災害共済の掛金は学校のお金、PTA保険や安全会はPTAの側のお金です。PTAの共済には、PTA・青少年教育団体共済法があります。第1条は目的を「PTA及び青少年教育団体の相互扶助の精神に基づき、その主催する活動における災害等についてこれらの団体による共済制度を確立し」と書いています。補償の中身は、それぞれの案内で確かめてください。

学級費も会計が預かるのですか。 私たちが確かめた手引きには、学級費の扱いは書かれていませんでした。学級費を誰が集め、誰が帳簿を付けるかは、自分のPTAの規約と学校に確かめてください。

出典

  • 神奈川県教育委員会『PTA活動のためのハンドブック』(令和8年3月一部改訂)第2章(PDF)7・9ページ、第1章(PDF)3ページ
  • 横浜市立桜台小学校PTA『規約・細則』令和2年4月1日版(PDF)規約 第7条・第9条・第12条・第14条・第15条・第16条、細則 第3条・第6条・第14条。1〜3/14、8/14、11/14、12/14
  • 横浜市立能見台小学校『横浜市立能見台小学校 PTA規約』(PDF)第12条3
  • 調布市立上ノ原小学校PTA「PTA本部役員の活動内容紹介」2023年度(PDF)4. 会計
  • 高松市教育委員会『学校徴収金等取扱マニュアル』2022年12月(PDF)1ページ
  • 文部科学省 財務課長通知「学校徴収金の公会計化等の取組の一層の推進について」2025年4月30日(PDF)2ページ 注5
  • PTA・青少年教育団体共済法(e-Gov法令検索)第1条
  • 茨城県PTA連絡協議会「PTA安全互助会」Q&A 15・37
  • 若杉祥太(大阪教育大学大学院)「PTA会計実務研修」奈良県PTA協議会サイト掲載、2026年2月25日(PDF)4・5・8枚目
  • 京都市PTA連絡協議会・京都市教育委員会『PTA会計管理に係るガイドライン』2023年3月(PDF)5ページ

この記事はAIが下書きし、運営者が内容を確認して公開しています。制度や手続きは自治体や団体の規約によって異なります。