10月の役員会で、回覧板をLINEにできないかという話が出た。30世帯・3班で、回覧は月2回、1回に紙が3枚ほど。1周するのに1週間以上かかる班もある。検索するとLINE、専用のアプリ、メールが並び、無料と有料が混ざっていて決められない。

方法は4つです。LINEオープンチャット、LINE公式アカウント、メール・ホームページ、自治会向けアプリ。私たちは、料金より先に「毎回だれが載せるか」と「紙の回覧板が何部残るか」で比べることをおすすめします。どれを選んでも、最初は紙と併用です。札幌市の手引きには「事例の多くは、紙の回覧板も併用」とあり、「初めから『紙の回覧板の廃止』を前提にするのではなく」と続きます(p.4)。後の文は鹿児島市の手引きにもあります(p.5)。

先にお断りします。私たちは自治会の会計の道具を作る会社で、回覧板の機能も有料のプランで出しています。

回覧板をデジタルにする方法は4つ。比べる軸は料金、載せる人の手間、紙が何部残るか

鹿児島市と札幌市の手引き、LINE公式アカウントの料金ページから並べました。最後の行は私たちの製品です。

方法費用準備と運用住民がすること気をつけること
LINEオープンチャット無料簡単(鹿児島市 p.4)LINEで参加。本名でなくてもよい投稿する人を仕組みで絞れない(鹿児島市 p.4)
LINE公式アカウント一部無料。無料のプランは月200通までやや難しい(鹿児島市 p.4)友だちに追加する会員が多いと有料になりやすい(鹿児島市 p.4)
メール・ホームページメールは無料。配信サービスとホームページは有料(札幌市 p.3)ホームページは難しい(鹿児島市 p.4)アドレスを登録する。ページを見に行くホームページは誰でも見られる(札幌市 p.2)
自治会向けアプリ有料(一部無料)(札幌市 p.2)初期設定が有料の例(富山市)会員もアプリを登録する(札幌市 p.2)料金は市の契約で違う
自治会総合支援サービス PROプラス(私たちの製品)月1,500円回覧板はPROプラスだけの機能LINEでお知らせを受け取る無料のプランには入っていない

「無料で利用できるツールでも、別途、通信料がかかります」と、札幌市の手引きは注を付けています(p.2)。鹿児島市の手引きは令和6年1月時点、LINE公式アカウントと私たちの製品は2026年10月12日に確かめた内容です。

費用の列だけ見ると、無料のLINEが一番に見えます。ただ、続けられるかを決めるのは載せる人と紙の部数だと私たちは考えています。

無料のLINEで足りるのは、月の通数と載せる人が決まっているとき

LINE公式アカウントは、登録した人へまとめて知らせを送る仕組みです。無料のプランは月額0円で、送れるのは月200通まで。超える配信はできず、プランを変えることになります(LINEヤフー for Businessの料金プラン)。

つまずくのは数え方です。通数は「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」。19世帯が登録して月2回送ると38通で、200通に収まります。100世帯が月2回なら200通でちょうど上限。月3回にすると300通になり、3回目が送れません。有料のプランはライトが月5,000円、スタンダードが月15,000円(税別)です。

オープンチャットは、LINEの中に作る話し合いの部屋です。鹿児島市の手引き(p.15、令和6年1月時点)は、おすすめの初期設定を挙げています。説明文に「事務局からの発信専用」と書き、「オープンチャットの検索を許可」はオフにする。オンだと地域の外の人も検索できるからです。参加は「参加コードの入力」か「参加の承認」にもできます。

載せる人は2人以上決め、共同管理者にしておきます。引き継ぎのときは「管理者権限を移行」で渡せます。後任に渡す考え方は会計ソフトの記事と同じです。

道具が0円でも、人の手間にお金がかかった例があります。鹿児島市の手引きの例では、400世帯・30班の町内会が、会議費1万円と、手伝う人への手当年2万円を出していました(p.6)。50世帯・5班の町内会は担当者手当が2万円です(p.7)。

自治会向けアプリは、同じアプリでも市によって値段が違います

自治会向けアプリは、回覧や連絡のために作られた有料の仕組みです。「多くの場合は、受け取る側の会員にもアプリを登録してもらう必要がある」と、札幌市の手引きは書いています(p.2)。結ネットというアプリで、市ごとの値段を比べます。

富山市の令和8年度のチラシは、参考として月額基本料1,100円(1町内会あたり)を載せています。月額利用料は11円(1IDあたり、10ID単位で請求)で、どちらも町内会の負担です。横浜市の資料では、100〜400世帯の月額が通常12,100〜41,800円。「よこはまDX応援特別価格」なら2,200〜6,600円です(税込)。事業者の公式の料金ページは見つからず、どれも市の資料の数字です。

富山市の料金で19世帯がIDを持つと、10ID単位なので20ID分です。1,100円+20×11円で月1,320円になります。

自治体名前何に・いくら気をつけること
東京都町会・自治会デジタル化推進助成(2026年度)電子回覧板の初期(設定)費用とシステム利用料。助成対象経費の10分の10、最長12か月会員のスマホへのアプリ導入費とスマホ講習会の費用は対象外。第3回の募集は10月13日〜30日
富山市電子回覧板導入支援事業(令和8年度)初期費用。1団体66,000円まで、20団体・先着申請は総会などで導入を決めてから。月額は町内会の負担
鹿児島市町内会デジタル活用促進補助金情報発信やオンライン集金などの経費の一部。上限10万円・補助率3分の2年に1回、最大5回まで(手引き p.27)
横浜市自治会町内会DX応援事業道具の紹介と講習会。結ネットの特別価格は初期66,000円・月2,200〜6,600円通常は月12,100〜41,800円。特別価格は終わる場合がある

東京都と鹿児島市は集金の経費も対象にしています。集め方の比べ方は会費の集め方の記事にあります。アプリを考えるなら、最初に市区町村の担当課へ、連携しているアプリと特別価格・補助を聞いてください。

紙の回覧板は、1世帯でも残る班には要ります

デメリットとして、札幌市の手引きは「通信機器を持っていない世帯には届けられない」を挙げ、「紙の回覧板との併用では、町内会の負担が増える」とも書きます(p.4)。富山市のチラシも、スマホを持たない人には従来の回覧板と併用するとしています。札幌市の手引きの南ひばりが丘町内会(141世帯・7班)は、登録した世帯には紙を回しません。2022年3月時点で7割以上が登録し、課題には紙との「情報格差」を挙げています(p.7)。

登録した家に紙を回さなくても、紙の部数は班の単位でしか減りません。 班に1軒でも登録していない家があれば、その班の回覧板は1部要ります。

班ごとの登録の数(記入例)

班世帯数登録した世帯紙で回す世帯紙の回覧板
1班10100要らない
2班1064要る
3班1037要る

表は指で横に動かすと、右の列が見えます

30世帯・3班の自治会を例にした数字

この例では登録が19世帯(63.3%)、紙で回す世帯は11で、紙の回覧板が要る班は2つ残ります。紙1回3枚、月2回、1枚10円で数えると、紙の費用は年2,160円から1,440円へ。登録が6割を超えても、紙は3分の2残る計算です。

紙の班が残れば、回覧が1周する日数も残ります。総会の案内を回覧で配るなら、その日数を総会資料の日程に足しておきます。

だれが毎回載せるかを先に決める。紙はスマホで写せば足ります

仕事は「回覧物の選定」「電子化(スキャン作業等)」「配信作業」に分け、それぞれ担当を決めるよう、札幌市の手引きは書いています(p.3)。役員で足りなければ、地域で手伝う人を募ります。p.19には「役員は数年で交代するため、次の役員も続けていける体制づくり」とあります。操作の手順書を作ることも勧めています。富山市のチラシのアンケートにも、悪い点として「こまめにスキャンなどの仕事ができるかと言うと、とても不安」という意見が載っています。

写す作業はスマホだけで済みます。鹿児島市の手引き(p.9〜10)によると、iPhoneは「ファイル」アプリの右上のメニューから「書類をスキャン」。Androidは「Googleドライブ」の[+新規]から[スキャン]です。管理者とパスワードの置き場所は、引き継ぎ書の「書類・物品」の表に書いておきます。

載せないものは紙の回覧と同じです。未納の世帯の名前を出さない理由は未納対応の記事に書きました。

始める前に、1つの班で2か月試す

導入の流れの一例は、意向調査、運用計画、会員への周知、導入の順です(札幌市の手引き p.4)。意向調査で聞くのは、インターネットの環境とスマホの有無、使いたいかです。モデル事業は、始める前に試験運用を挟みました(p.8)。知らせ方は鹿児島市の手引き(p.3)が具体的で、QRコードを載せた回覧文書、掲示板、説明会を挙げています。

私たちの目安は、1つの班で2か月試すことです。月2回なら4回分回せて、載せる人の手間が見えます。試した班の数字はExcelの「登録の数」シートに入れ、広げるかを役員会で決めます。

始めるまでの4段
  1. 意向を聞く
    スマホの有無と、使いたいかどうか
  2. 試す班と方法、載せる人を決める
    1つの班で試すのは私たちの目安です
  3. 回覧文書にQRコードを載せて知らせる
  4. 2か月後に登録の数を見て、広げるかを決める

私たちの立場。30世帯で班長さんが回せているなら、まず役員の連絡からLINEにする

班長さんが月2回の回覧を回せているなら、急いで住民向けにしなくてよいと考えています。札幌市(p.3)と鹿児島市(p.4)の手引きも、慣れるためにまず役員どうしで使う形を挙げています。住民向けは、通数と載せる人が決まってからで間に合います。

私たちの「自治会総合支援サービス」の回覧板は、有料のPROプラス(月1,500円、年払い16,500円)だけの機能です。無料のプランには入っていません。

役員会に出す比べ表をExcelで用意しました。「登録の数」シートに班・世帯数・登録した世帯を入れると、紙で回す世帯と紙の回覧板の要る・要らないが出ます。「費用の比べ表」シートのP7〜P9に回覧の回数、紙の枚数、印刷の単価を入れると、方法ごとの紙の費用(1年)と1年の費用が出ます。記入例では、紙だけが2,160円、LINEの2つが1,440円、結ネット(富山市の例)が17,280円、私たちのPROプラスが19,440円(月払いで数えた額)です。アプリの行に初期費用は入っていません。アプリの料金とIDの数(D〜H列)は、市や事業者に聞いた数に直します。

回覧板デジタル化の費用の比べ表.xlsx の見本。1 枚目のシートの上部回覧板デジタル化の費用の比べ表.xlsx空のファイルです。マクロなし、シートは3枚(使い方 / 登録の数 / 費用の比べ表)。入力するのは色と枠の付いたセルだけです。シートは保護してあります(パスワードなし)。テンプレートをダウンロード
回覧板デジタル化の費用の比べ表_記入例.xlsx の見本。1 枚目のシートの上部回覧板デジタル化の費用の比べ表_記入例.xlsxこの記事の例(30世帯・3班・月2回)を入れたファイルです。料金は2026年10月12日に確かめたものです。見本の画像は費用の比べ表のシートです。テンプレートをダウンロード

次の役員会までに、班長さんから班ごとに登録できそうな世帯の数を聞き、「登録の数」に入れてください。

よくある質問

回覧板は無料でデジタルにできますか。 LINEのオープンチャットは無料です(鹿児島市の手引き)。LINE公式アカウントの無料のプランは月200通までです。通信料は別にかかります(札幌市の手引き)。鹿児島市の手引きの例では、道具は0円でも、載せる人に年2万円の手当を出していました。

スマホを持っていない世帯には、どう届けますか。 紙の回覧板と併用します。札幌市・鹿児島市・富山市の資料がそう書いています。登録した世帯に紙を回さなくても、登録していない家が1軒でもある班には、紙の回覧板が1部要ります。

電子回覧板に使える補助金はありますか。 東京都(助成対象経費の10分の10)、富山市(初期費用を1団体66,000円まで)、鹿児島市(上限10万円・補助率3分の2)などがあります。市区町村ごとに違うので、担当課に聞いてください。

LINEに登録した人の一覧も、個人情報として扱いますか。 扱います。個人情報保護委員会のハンドブックは、名簿を事業に使う自治会も「個人情報取扱事業者」に当たるとしています(p.4)。見られる人と置き場所を決めて保管します。

出典

料金と募集のページは2026年10月12日に確かめました。

  • 札幌市『町内会の電子回覧板導入の手引き』(PDF)。p.2〜4、p.7〜8、p.19。
  • 鹿児島市『地域活動におけるデジタルツール活用の手引き 電子回覧板とオンライン集金の始め方』令和6年3月(PDF)。p.3〜10、p.15、p.27。
  • 富山市 電子回覧板導入支援事業のチラシ 令和8年度(PDF)。
  • 東京都生活文化局「町会・自治会デジタル化推進助成」2026年9月4日更新(ページ)。
  • 横浜市 自治会町内会DX応援事業 展示・相談会資料「電子回覧板アプリ『結ネット』のご紹介」株式会社シーピーユー(PDF)。p.5。
  • LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」(ページ)。
  • 自治会総合支援サービス 料金プラン(ページ)。
  • 個人情報保護委員会『自治会・同窓会等向け 会員名簿を作るときの注意事項』令和5年12月版(PDF)。p.4。

この記事はAIが下書きし、運営者が内容を確認して公開しています。制度や手続きは自治体や団体の規約によって異なります。