1月の役員会の帰りぎわ、会長から「4月の総会の資料、取りまとめをお願いできますか」と頼まれる。前任者の残した去年の議案書は、ホチキスで留めたA4が8ページ。事業報告は誰が書いたのか。決算の数字はいつ出るのか。
総会資料は、表紙と次第、6つの議案、委任状(または書面表決書)を綴じた1冊です。取りまとめ役の仕事は、総会の日から逆算して「誰が、いつまでに、何を出すか」を決め、集めてつなぐことです。4月25日の総会なら、動き出すのは2か月前の2月下旬です。
総会資料は「表紙と次第・6つの議案・委任状」の1冊。並びは去年の議案書に合わせる
表紙には総会の日時と会場、その下に次第(当日の進行の順番)を書きます。成田市の記入例では次第は6つで、議事の中身が6つの議案です。
表紙と次第の見本
| 次第 | 中身 |
|---|---|
| 日時・会場 | ○○年○月○日(日)午後○時から / ○○自治会集会施設 |
| 1 開会のことば | |
| 2 会長あいさつ | |
| 3 議長選出 | |
| 4 議事 | 議案第1号 ▲▲年度○○自治会 事業報告について |
| 議案第2号 ▲▲年度○○自治会 収支決算報告について | |
| 議案第3号 ▲▲年度○○自治会 監査報告について | |
| 議案第4号 ○○年度○○自治会 事業計画(案)について | |
| 議案第5号 ○○年度○○自治会 収支予算(案)について | |
| 議案第6号 ○○年度 役員の選任について | |
| 5 役員代表あいさつ | |
| 6 閉会のことば |
表は指で横に動かすと、右の列が見えます
見本の「▲▲年度」は前年度、「○○年度」は新年度を指します。報告の議案(第1〜3号)は前年度、案の議案(第4〜6号)は新年度です。2027年4月の総会なら、報告は2026年度、案は2027年度になります。私たちの見る範囲では、去年の議案書を写すとき一番直し忘れやすいのがこの年度です。
新潟市西区の資料編にも、同じ書類の見本があります。
| 書類 | 成田市の記入例 | 新潟市西区の資料編 |
|---|---|---|
| 表紙・次第 | 1ページ。日時・会場/次第 | 11ページ。開催通知例に議題 |
| 事業報告 | 2ページ。実施日/事業名/内容 | 7ページ。期日/事業名/場所/内容 |
| 決算報告 | 3ページ | 9ページ |
| 監査報告 | 4ページ | 10ページ |
| 事業計画(案) | 5ページ | 7ページ |
| 予算(案) | 6ページ | 8ページ |
| 役員の選任(案) | 7ページ | 記載なし |
| 委任状・書面表決書 | 記載なし | 12ページ |
議題の並びは、成田市の次第も新潟市西区の開催通知例も、前年度の報告、新年度の案の順です。
成田市の記入例は「この資料は参考資料ですので、記入例の通りに資料を作成する必要はありません」と書いています。私たちは、会員が見比べやすいよう、去年の議案書の並びと呼び方に合わせることを最優先にしています。
総会の日から逆算すると、動き出すのは2か月前です
日程の起点になる事実は2つだけです。決算は年度末で締まること。監査は総会の前に受けること。新潟市西区の規約例も第34条で、事業報告と収支決算書は「監事の監査を受け」たうえで総会の承認を受ける、としています。
計算例で日付を当ててみます。総会を2027年4月25日(日)とします。規約で「7日前までに知らせる」と決まっていて、回覧に3日かかるなら、配る日は10日前の4月15日(木)です。年度末の3月31日(水)から総会までは25日。配る日までなら15日しかありません。この15日に、決算書を作る、監査を受ける、役員会で確かめる、印刷する、が全部入ります。
だから年度末より前にできることは先に済ませ、総会の60日前の2月24日(水)の役員会で担当と日程を決めます。次の流れの日数は手引きの記載ではなく、私たちの目安です。
- 2月24日(水)役員会で総会の日・会場・資料の担当を決める
- 3月31日(水)年度末。出納帳を締める
- 4月8日(木)監事の監査を受け、監査報告書をもらう
- 4月11日(日)役員会で議案書の案を確かめる
- 4月15日(木)開催通知・議案書・委任状を配る
- 4月25日(日)総会
- 5月2日(日)議事録を作り、結果を知らせる
3月31日の出納帳の締め方は、出納帳の記事の月末の残高合わせと同じです。
取りまとめ役が最初の役員会でやるのは、原稿の割り振りです。私たちの目安は、会長が事業報告・事業計画(案)・役員の選任(案)、会計が決算と予算(案)、監事が監査報告、書記が表紙と次第・委任状・印刷です。役職の分け方は自治会ごとに違うので、規約と去年の分担に合わせて直してください。
事業報告と事業計画は、同じ表に「やったこと」と「やること」を書く
事業報告は1年間にやった行事の一覧、事業計画(案)はこれからやる行事の一覧です。2つを「事業計画(報告)書」という1つの様式にまとめているのが、新潟市西区の資料編です。列は期日 / 事業名 / 場所 / 内容 の4つ。同じ表を、年度の初めには計画に、終わりには報告に使える形です。
成田市の記入例は、内容の欄に参加人数を書いています。
作り方は単純です。去年の議案書の第4号議案、つまり去年の事業計画(案)の表を写します。日付を実際にやった日に直し、内容の欄に人数を足せば、今年の第1号議案の下書きになります。元になるのは、1年間の行事と役員会の記録です。
事業計画(案)は、新年度の行事を日付の順に並べます。日が決まっていなければ月まででかまいません。来年2月の役員会を計画に書いておけば、次の取りまとめ役も日程を決める日を忘れません。
決算報告・監査報告・予算案は、繰越金の数字でつながっています
第2号議案の決算報告(収支報告書)の作り方は、収支報告書の記事で説明しました。
決算書のいちばん下に出るのが、次の年度へ繰り越すお金です。この金額が、予算(案)の収入の1行目「前年度繰越金」にそのまま入ります。成田市の記入例では、3ページの決算書の差引き金額190,000円が、6ページの予算書(案)の前年度繰越金190,000円になっています。
収支報告書の記事で例にした、30世帯・会費5,000円の自治会で見てみます。次年度繰越金は27,930円でした。第5号議案の予算(案)は、収入の1行目を「前年度繰越金 27,930」から書き始めます。2つの数字が1円でも違えば、どちらが正しいのかを総会の場で説明することになります。
第3号議案の監査報告は、監事が書いて押印する書類です。新潟市西区の見本は監査年月日・監査場所・監査意見の3つを書く形で、文言の例は収支報告書の記事の「用紙の下に、会長と会計の押印欄、監事の監査報告文を置く」の節に並べました。
成田市の見本は、表題が「○○年度○○自治会収支決算監査報告」、本文が「▲▲年度○○自治会収支決算について」で始まります。確かめるのは、本文の年度が第2号議案の決算と同じかどうかです。
事業計画と予算もつながっていて、成田市の見本では事業計画(案)の夏祭りが、予算書(案)に「夏祭り300,000円」として入っています。
役員の選任案には、承諾をもらった人の名前だけを載せる
第6号議案は、新年度の役員の顔ぶれです。成田市の記入例は、役職と人数を並べ、その下に候補者の名前を書いています。会長1名、副会長1名、会計1名、監査委員2名。吹き出しには「本人の承諾のもと、事前に役員候補を挙げたほうが、進行がスムーズです」とあります。
役職と人数は規約で決まり、新潟市西区の規約例では第9条に置かれています。第10条2項は「監事と会長、副会長及びその他の役員は、相互に兼ねることはできない」。兼任できない役職の組み合わせを、自分の規約で確かめます。
逆算表では、候補者の承諾の期限を30日前の3月26日(金)に置いています。これも私たちの目安で、断られたときに次の人を探す時間を残すためです。
法人になっている自治会では、あらかじめ通知した議題の中でしか決議できません(地方自治法第260条の17)。規約に別段の定めがある場合は別です。私たちは、開催通知の議題は「役員の選任について」とだけ書き、名前は議案書の中に載せることをおすすめします。候補者が替わっても、議題そのものは変えずに済みます。
委任状と書面表決書は別の紙です。どちらを付けるかは規約で決まります
総会に来られない人に出してもらう紙は、2種類あります。新潟市西区の資料編は、12ページに委任状と書面表決書を切り取り線で上下に並べた見本を載せています。
委任状は「同総会における議決権を下記の代理人に委任します」と書き、表決を代理人に任せる紙です。書面表決書は、議案ごとに本人が「賛成・反対」を選ぶ紙です。
委任状
- 「議決権を下記の代理人に委任します」と書く紙
- 本人と代理人の住所・氏名を書く
- 賛否の欄は無く、表決を代理人に任せる
書面表決書
- 「次のとおり議決に関する権限を行使します」と書く紙
- 議案ごとに、本人が賛成か反対かを選ぶ
- 代理人は要らない
どちらを使えるかは規約で決まります。新潟市西区の規約例第22条は、やむを得ない理由で出られない会員は「あらかじめ通知された事項について書面をもって表決し、又は他の会員を代理人として表決を委任することができる」としています。2項では、その会員を「出席したものとみなす」としています。自分の規約に同じ条文が無ければ、役員会で確かめてから紙を作ります。
開催通知には議題を漏れなく書き、出す先と締切日も添えます。新潟市西区の開催通知例にも「委任状に関わる議題は漏れなく明記するようにしましょう」という吹き出しがあります。
法人になっている自治会は、通知の日数と表決の方法が法律で決まっています
市区町村長の認可を受けて法人になった自治会を、認可地縁団体(にんかちえんだんたい)と呼びます(地方自治法第260条の2第1項)。自分の自治会がそうかどうかの見分け方は、収支報告書の記事にある財産目録の節に書きました。分からなければ、市の自治会担当の窓口で確かめられます。
次の表の決まりは、認可地縁団体だけにかかります。法人でない自治会は、法律ではなく規約に従います。
| 条文(地方自治法) | 決まっていること | 規約との関係 |
|---|---|---|
| 第260条の13 | 少なくとも毎年1回、通常総会を開く | 規約で外す定めは無い |
| 第260条の15 | 招集の通知は、総会の日より少なくとも5日前に、会議の目的である事項を示して行う | 通知の方法は規約で決める |
| 第260条の17 | あらかじめ通知した事項についてのみ決議できる | 規約に別段の定めがあれば別 |
| 第260条の18 | 出席しない構成員は、書面または代理人で表決できる。規約か総会の決議で電磁的方法も使える | 規約に別段の定めがあれば適用しない |
| 第260条の19の2 | 構成員全員の承諾があれば、書面または電磁的方法で決議できる | 総会の決議と同じ効力(同条第3項) |
表の電磁的方法は、この記事では扱いません。
第260条の15で5日前までに示すのは「会議の目的である事項」、つまり議題です。逆算表の配る日(10日前)は、規約の7日に回覧の3日を足した私たちの例で、法律の5日より前です。
総会を開かずに書面だけで決めるには、第260条の19の2により構成員全員の承諾が要ります。もう1つは、総会そのものは開き、集まる人数を減らす方法です。長浜市は、議案と書面表決書を配って集め、役員など最小人数で総会を開いて議決し、議事録と結果報告書を作る流れを紹介しています。
配ってから当日までにやるのは、数えることと記録すること
配る前の最後の作業が印刷です。議案書が8ページ(表紙と次第1、議案6、委任状・書面表決書1)なら、両面印刷で1部4枚。30世帯に予備の5部を足して35部なら、用紙は140枚です。逆算表では、印刷を配る日の2日前、4月13日(火)に置いています。
新潟市西区の資料編の「総会の準備例」にある、開会で数を確かめ、閉会後に議事録を作る流れに日付を当てました(日付は私たちの目安です)。
- 4月15日(木)配る開催通知・議案書・委任状(書面表決書)を回覧や配布で届けます
- 4月23日(金)締め切る委任状と書面表決書の締切日は、開催通知に書いておきます
- 4月24日(土)枚数を数える出席者名簿と、委任状・書面表決書の数をそろえます
- 4月25日(日)定足数を確かめる数えた結果を、開会のときに議長へ伝えます
- 5月2日(日)議事録と結果のお知らせ署名・押印をもらい、議案資料と一緒に保管し、結果を回覧します
当日の数え方を、会員30人の自治会で試します。新潟市西区の規約例(第19条・第20条・第22条2項)の形を借り、定足数を「2分の1以上」とした例です。定足数は30の半分で15。出席11、委任状6、書面表決書4なら、出席とみなす人は21で、総会は成立します。議決は出席した会員の過半数なので、21の過半数、つまり賛成11で可決です。規約の割合が違えば、この数字も変わります。
新潟市西区の議事録例(13ページ)は、会員総数と出席者総数(うち委任状出席)、議案ごとの賛否の数を書き、議長と議事録署名人2人が押印しています。前日と当日に数えた数字は、そのまま議事録に入ります。
議事録は総会のあとも使います。東松島市のハンドブック会計編(7ページ)によると、口座の名義を変えるとき、金融機関によっては規約や議事録の提出を求められます(会計引き継ぎの記事にある口座の節)。
テンプレートに総会の日を入れて、担当者に日付を配る
ここまでの日程と数え方を、Excelのテンプレートにまとめました。
自治会_総会資料_逆算スケジュール.xlsxExcel 2016 以降、および Google スプレッドシートで開けます。シートは「使い方」「逆算スケジュール」「議案書の目次」「当日の数え方」の4枚です。テンプレートをダウンロード逆算スケジュールのシートでは、C2〜C8に7つを入れます。自治会名、新年度、総会の日、規約の通知日数、回覧にかかる日数、年度末の日、法人かどうかです。10行目の見出しは No / 作業 / 総会の何日前 / 期限 / 曜日 / 担当 / 状態 / 根拠・備考 です。11〜25行目に15の作業が並び、総会の日を変えると期限と曜日がすべて変わります。
色の付いた欄の日数は書き換えられ、出納帳の締め・議案書を確かめる役員会・印刷・配る日の4行は式で出ます。根拠・備考の列には、出典か「運営者の提案(私たちの目安)」かを書き分けました。議案書の目次のシートでは用紙の枚数と繰越金の一致が、当日の数え方のシートでは総会の成立と可決に必要な賛成の数が分かります。
総会資料の日程を一番左右するのは決算の数字だと、私たちは見ています。「自治会総合支援サービス」を作ったのも、出納帳の入力から収支報告書までを1つながりにしたかったからです。今日やることを1つ選ぶなら、総会の日を1つ決めて、テンプレートのC4に入れてください。
よくある質問
総会資料は、総会の何日前までに配ればよいですか。 私たちの目安は、規約で決まった通知の日数に、回覧にかかる日数を足した日です。認可地縁団体は、総会の日より少なくとも5日前に議題を示して通知します(地方自治法第260条の15)。
委任状と書面表決書は、どちらを付ければよいですか。 規約に書いてあるほうです。規約で両方使えるなら、新潟市西区の見本のように1枚に並べられます。
去年の議案書が見つかりません。何を見本にすればよいですか。 成田市や新潟市西区のように、市区町村が見本を配っていることがあります。自治会担当の窓口やホームページで探してください。
集まって総会を開けないときは、書面だけで済ませられますか。 認可地縁団体は、構成員全員の承諾があれば書面で決議できます(地方自治法第260条の19の2)。法人でない自治会は規約に従い、定めが無ければ市の自治会担当の窓口に相談してください。
総会で予算案が通らなかったら、新年度のお金は使えないのですか。 新潟市西区の規約例第33条2項は、議決までは「前年度の予算を基準として収入支出をすることができる」としています。規約に無ければ役員会で相談してください。
出典
- 新潟市西区『自治会・町内会ハンドブック ~資料編~』(PDF)
- 成田市『○○年度○○自治会総会』記入例(PDF)
- 地方自治法(e-Gov法令検索)
- 長浜市『自治会が開催する総会等の対応』(ページ)
- 東松島市『地区自治会ハンドブック【会計編】』(PDF)
この記事はAIが下書きし、運営者が内容を確認して公開しています。制度や手続きは自治体や団体の規約によって異なります。お住まいの市区町村で自治会を担当する窓口の手引きも、合わせて確認してください。