秋の役員会で「会費の金額を規約から外したい」「任期を2年にしたい」と意見がまとまりました。来年4月の総会に、規約の改正を出すことになります。前任者から受け取った箱には、規約が1部入っているだけ。改正の議案を作った記録は、どこにもありません。何から手を付け、いつまでに何の紙を配ればよいのか。

自治会の規約改正は、役員会で改正案と新旧対照表を作り、総会の議決で決まります。議案は総会の1か月ほど前に配り、今の規約の「規約の変更」の条が定める数の賛成を集めます。市町村長の認可を受けて法人になった自治会(認可地縁団体)は、会員全体(総構成員)の4分の3以上が同意する必要があります(規約に別段の定めがあれば別)。そのうえ市町村長の認可を受けるまで、変更の効力は生じません。

ここで扱うのは、今ある規約の条を1〜数か所だけ変える一部改正です。規約を丸ごと作り直すなら、規約のひな形の記事から始めてください。私たちは自治会の会計の道具を作っている会社で、弁護士ではありません。市の手引きと地方自治法の条文を並べて読んで書きました。

規約を変えるのは総会の議決。何人の賛成が要るかは、今の規約の「規約の変更」の条に書いてあります

役員会で決めただけでは、規約は変わりません。川崎市の手引き『町内会・自治会の設立に向けて』はこう書いています。「現在ある規約を一部改正する場合、いずれも案を総会で提案し、承認を得る手続きが必要となります」(PDF 1枚目)。

何人の賛成が要るかは、規約の最後の方にある「規約の変更」の条で決まります。市の規約例でも書き方が違います。川崎市の規約参考例は第30条で「総会において議決を得なければ、変更することはできない」と書くだけです。数は、議決の条(第17条)の「出席した会員の過半数」で数えると読めます。神戸市の規約例2は第25条で「全会員の3分の2以上」。法人向けの北秋田市の規約例は、第37条で「総会員の4分の3以上」と市長の認可を求めます。

会員60人の会に当てはめると、違いが数で見えます。「全会員の3分の2以上」なら、60×2/3で40人の賛成が要ります。法人で、総構成員の4分の3以上(地方自治法第260条の3第1項)なら45人です。「出席した会員の過半数」で、出席とみなす人が42人なら22人で足ります。

会員60人の会で要る賛成の数

規約の変更の条の書き方数える元要る賛成の数
総会の議決(出席した会員の過半数)出席とみなす42人22人
全会員の3分の2以上会員全体60人40人
総構成員の4分の3以上(法人)会員全体60人45人

表は指で横に動かすと、右の列が見えます

会員60人の会を例にした数字。規約の書き方は川崎市の規約参考例 第30条・第17条、神戸市の規約例2 第25条、北秋田市の規約例 第37条と地方自治法第260条の3第1項から

会員全体から数える書き方では、総会に来なかった人は賛成に入りません。だから、賛否を紙に書いて前もって出してもらう段取りが、改正のときは特に効きます。この紙を書面表決書と呼びます。委任状や書面表決書を出席に数えるかなど、数え方の細かい所は総会の成立と議決の記事にまとめました。

うちの会が法人かどうかは、認可地縁団体の記事の見分け方で見当がつきます。今の規約に「規約の変更」の条が見当たらないときに要る数は、一次情報で確かめられていません。役員会で決める前に、市の担当課に相談してください。

総会の3か月前から逆算する。議決までの段取り

段取りは、総会の日から逆に数えて並べます。総会が2027年4月25日(日)なら、動き出すのは90日前の1月25日(月)です。役員会を月に1回開く会なら、議決までに3回の役員会が使えます。

規約改正の段取り(総会の日から逆算)
  1. 3か月前(90日前)
    役員会で、変える条と理由を決める。今の規約の「規約の変更」の条も読む
  2. 2か月半前(75日前)
    新旧対照表の原案を作る
  3. 2か月前(60日前)
    法人の会だけ、市の担当課に原案を見てもらう
  4. 1か月半前(45日前)
    役員会で議案を決め、要る賛成の数を確かめる
  5. 1か月前(30日前)
    総会の案内・議案・書面表決書を配る
  6. 総会の日
    議決し、賛否の数を議事録に書く
  7. 総会の後(14日後めど)
    議事録に署名をもらう。法人は認可を申請する

この日数は、私たちの目安です。1か月前に配るのは、川崎市の手引きが「開催1か月ほど前までに」と書いていることに合わせました(PDF 6枚目)。

総会資料そのものは、2か月前から作り始めれば間に合います(総会資料の記事)。規約の改正は、それより1か月早く動き出します。

役員会では「どの条を、なぜ変えるか」を1行ずつ決める

最初の役員会で決めるのは、変える条と、変える理由の2つだけです。「会費の金額を規約から外したい」という意見なら、今の規約で会費を書いた条を探します。この記事の記入例では、第28条「会費は、1世帯月額○○○円とする。」でした。これを「会費の額は、総会において別に定める。」に改めます。

会費の書き方の例として、川崎市の手引きは2つを挙げています(PDF 10枚目)。「「一世帯あたり月額○○円」と規約に金額を記載する方法や、「総会で金額を決める」と記載し毎年総会で決定する方法」です。後の書き方に移せば、金額を変えるたびに規約を変えずに済みます。金額そのものの決め方は会費の金額の記事に書きました。

もう1か所は、第10条の役員の任期です。「1年」を「2年」にします。川崎市の手引きも、任期は「1年間、2年間と規約に定めているところが多く」と書いています。理由は1行で足ります。記入例では「1年では仕事に慣れたころに交代になり、毎年の引き継ぎの負担が大きいため。」としました。

私たちは、1回の総会に出す改正を2〜3か所に絞ることをすすめます。数が多いと説明が長くなり、質問がどの条についてのものかも分かりにくくなります。ほかにも直したい条が出たら、役員会の記録に残して翌年に回します。

役員会で原案を作る4段
  1. 今の規約の「規約の変更」の条を読む
    賛成の数の書き方を、そのまま写しておきます
  2. 変える条を1行に1つずつ書き出す
    条の番号と今の文を、規約から一字ずつ写します
  3. 変える理由を1行で書く
  4. 要る賛成の数を出す
    会員の数と、規約の書き方から数えます

新旧対照表は左が改正案、右が現行。変えた語に線を引く

変える条について、変えた後の文と今の文を左右に並べた表を作ります。変えた後の文を改正案、今の文を現行と呼び、この表を新旧対照表と呼びます。

新居浜市は、規約の変更を市に認可してもらう申請の資料として『規約改正総会資料の例』(pg.26)を示しています。表題は「○○○自治会規約の改正について」。左に改正案、右に現行を置き、変えた所に下線を引きます。第4条の「事務所」を「主たる事務所」に改めた行では、足した「主たる」の3文字だけに線が引かれています。表の下には【改正の理由】の見出しで理由を書き、枠の中に「規約改正の前後が分かるように記載してください」と添えています。

新旧対照表の見本

改正案現行
(役員の任期)第10条 役員の任期は、【2年】とする。(役員の任期)第10条 役員の任期は、1年とする。
(会費)第28条 【会費の額は、総会において別に定める。】(会費)第28条 会費は、1世帯月額○○○円とする。
【附則 この規約は、2027年4月25日から施行する。】

表は指で横に動かすと、右の列が見えます

出典: 新居浜市『規約改正総会資料の例』の書式。条文は川崎市の規約参考例を下敷きにした例。【】は下線を引く所

改正の理由は、条ごとに1文ずつ書きます。第28条なら「会費の額を変えるたびに規約を改正しなくてよいよう、額は総会で決めることにするため。」です。

条を足す「新設」と、なくす「削除」では、片方の欄が空になります。テンプレートは、空く欄に「(新設)」か「(削る)」と出します。空欄のままだと、書き忘れと見分けがつかないからです。この書き方は私たちの決めごとで、新居浜市の例にあるものではありません。

ここまでの表と段取りを、1つのExcelにしました。シートは「使い方」「改正の基本」「新旧対照表」「議案(印刷用)」「段取り表」の5枚です。「使い方」には手順ごとに何をするかを書き、「どこに入れる」の列に入れるセルを示しました。

自治会_規約改正の新旧対照表と段取り表.xlsx の見本。1 枚目のシートの上部自治会_規約改正の新旧対照表と段取り表.xlsx空のファイルです。段取り表の10段だけ入れてあります。マクロなし、シートは保護してあります(パスワードなし)。見本の画像は段取り表のシートです。テンプレートをダウンロード
自治会_規約改正の新旧対照表と段取り表_記入例.xlsx の見本。1 枚目のシートの上部自治会_規約改正の新旧対照表と段取り表_記入例.xlsx会員60人・法人でない会で、第10条の任期と第28条の会費を変える例です。総会は2027年4月25日。実在の自治会とは関係ありません。見本の画像は新旧対照表のシートです。テンプレートをダウンロード

「新旧対照表」のシートの列は、番号 / 条 / 見出し / 改正案 / 現行 / 区分 / 改正の理由 / 確かめ です。Excelの式では下線を付けられないので、改正案の変えた語を【】で囲んでおき、印刷した後に手で下線を引いてください。

「改正の基本」に会員の数と賛成の数の書き方を入れると、要る賛成の数が出ます。記入例では40人です。「段取り表」は、総会の日を入れると予定日が出ます。

附則の施行日は、法人でなければ日付、法人なら「認可の日」

規約の最後には、いつから使うかを書く短い部分があります。これを附則(ふそく)と呼びます。改正のときも、新しい附則を1つ書き足します。

法人でない会は、日付で書きます。川崎市の規約参考例の附則は「この規約は、○○年○○月○○日から施行する。」です(PDF 5枚目)。記入例は、総会の日と同じ2027年4月25日にしました。総会の日より前の日付にはしません。議決する前の日から、新しい規約を使ったことになってしまいます。

法人の会は、日付を先に書けません。認可を受けるまで効力が生じないからです(地方自治法第260条の3第2項)。新居浜市の例の附則は「この規約は、新居浜市の認可の日から施行する。」です。見出しは「附則(令和 年 月 日認可)」と空けてあり、認可の日を後から入れる形になっています。

法人でない会が規約を変えたとき、市への届けが要るかは、この記事では確かめていません。市の担当課に確かめてください。

法人でない会と法人の会の違い

法人でない会

  • 賛成の数は、今の規約の「規約の変更」の条で決まる
  • 施行日は日付で書く(川崎市の例)
  • 市への届けが要るかは、担当課に確かめる
  • 総会の通知の日数は、規約に書いてあればそれに従う

法人の会

  • 総構成員の4分の3以上(規約に別段の定めがあれば別)
  • 施行日は「認可の日」(新居浜市の例)
  • 総会の前に市へ相談し、議決の後に認可を申請する
  • 総会の通知は少なくとも5日前

案内は1か月前に。規約の改正は議題に書き、書面表決書を同封する

川崎市の手引きは、通知文に「会議の開催日時や場所、議題を記載します」としています(PDF 6枚目)。規約の改正は議題に「○○町自治会規約の改正について」と1行で書き、新旧対照表と改正の理由を綴じて配ります。

法人の会は、総会の日より少なくとも5日前に、会議の目的である事項を示して通知します(地方自治法第260条の15)。1か月前に配っていれば、この5日前は自然に守れます。法人でない会は、規約に通知の日数が書いてあればそれを守ります。

書面表決書は、代理の人に票を預ける委任状とは別の紙です。様式は委任状と書面表決書の記事にあります。

記入例の会では、要る賛成40人に対し、出席とみなす見込みは42人でした。差は2人しかありません。届かない見込みなら、「改正の基本」のシートに「出席の見込みだけでは届きません。書面表決書を先に集めます」と出ます。私たちは、総会の1週間前に集まった書面表決書を数えることをすすめます。足りなければ、役員が手分けして出していない家を回ります。

総会の後は議事録に賛否の数を残し、改正後の全文を配る

当日の採決は、ほかの議案と同じく説明・質問・採決・数の読み上げの順で進みます(総会の進め方の記事)。規約の改正は要る数が決まっているので、私たちは拍手で済ませず、賛成と反対を数えることをすすめます。

当日に「この条の文をこう直したい」と意見が出ることもあります。それでも文は変えず、直したい点は次の総会に回します。その場で文を変えると、書面表決書で先に賛成した人の票と、議決する文が食い違うからです。

議事録には、出席の内訳と賛否の数を残します。川崎市の手引きの総会議事録例は、出席構成員数を「○○○名(うち委任状出席○○○名)」と書きます(PDF 8枚目)。議案ごとには「賛成○○人、反対○○人のため可決(又は否決)された」と残します。記入例の会なら「賛成○人、反対○人。全会員60人の3分の2以上(40人)の賛成により可決」と、要る数も添えておくと後で読み返せます。書き方は議事録の記事にあります。

署名は、議長と議事録署名人からもらいます。川崎市の規約参考例 第19条2項は「議長及びその会議において選任された議事録署名人2人以上」の署名押印を求めています(PDF 4枚目)。段取り表では、総会の14日後を目安にしました。

施行日からは新しい規約を使います。配る決まりは確かめられていませんが、改正後の全文を作り直して配っておくと、次の役員が新旧で迷いません。

法人の会は、総会の前に市へ相談し、議決の後に認可を申請する

法人の会には、総会の前と後に市とのやり取りが1つずつあります。前は相談です。静岡市は「規約を変更する場合は総会の議決が必要となるため、総会の開催前に各区役所地域総務課へご相談ください」と書いています。段取り表で2か月前に相談を置いたのは、このためです。

後は認可の申請です。地方自治法施行規則第22条第1項は、こう定めています。「規約の変更の認可の申請は、申請書に、規約変更の内容及び理由を記載した書類並びに当該規約変更を総会で議決したことを証する書類を添付して行わなければならない」。要る書類は3つです。市と区の書類名に置き換えると、次のようになります。

要る書類施行規則第22条静岡市大田区
申請書申請書規約変更認可申請書規約変更認可申請書
変える内容と理由規約変更の内容及び理由を記載した書類規約変更及び理由書規約改正条文及び規約改正理由について
議決したことの証し総会で議決したことを証する書類総会議事録の抜粋総会議事録

2つ目の書類の見本として新居浜市が示すのが、先の新旧対照表です。大田区のページには、3つの様式と記載例が置いてあります。段取り表では、申請も総会の14日後を目安にしました。

名称や事務所の所在地など、市が広く知らせた事項(告示事項)を変えるときは、「告示事項変更届出書」も出します(静岡市)。一方、規約以外の内部規程の変更は「申請の必要はありません」と静岡市は書いています。申請から認可までの日数は、静岡市・大田区のページには書かれていません。事前の相談のときに聞いておきます。

今日やることは1つです。今の規約を開いて「規約の変更」の条を探し、賛成の数の書き方をテンプレートの「改正の基本」に写します。会員の数を入れて出た賛成の数を、次の役員会に持っていけます。

前任者の箱に改正の記録が無くて困ったなら、今年の新旧対照表と議事録は、改正後の規約と同じ場所に残してください。次の人は、そこから始められます。「自治会総合支援サービス」に書類を年度ごとに残す機能を置いたのも、その場所を1つにしたかったからです。

よくある質問

会則(規約)の変更は、役員会だけで決めてよいですか。 今の規約の「規約の変更」の条に従います。川崎市の手引きは、今ある規約を一部改正する場合も「案を総会で提案し、承認を得る手続きが必要」と書いています。役員会が決めるのは、総会に出す案までです。細則の変え方は、規約が細則をどう決めると書いているかによります。

規約の改正は臨時総会でもできますか。 規約の定めによります。川崎市の規約参考例は、総会を通常総会と臨時総会とし(第11条)、総会の審議事項に「規約に関する事項」を挙げています(第13条)。この形の規約なら、臨時総会でも改正を議決できます。要る賛成の数は通常総会と同じです。

新旧対照表は必ず作らなければいけませんか。 法人でない会に作る決まりは、私たちが読んだ範囲では見当たりません。法人の認可申請には「規約変更の内容及び理由を記載した書類」が要り(地方自治法施行規則第22条第1項)、新居浜市はその見本として新旧対照表を示しています。法人でなくても、会員が前後を見比べられるので作ることをすすめます。

法人の自治会で、認可が下りる前に新しい規約を使ってよいですか。 使えません。規約の変更は、市町村長の認可を受けて初めて効力が生じます(地方自治法第260条の3第2項)。附則の施行日は「認可の日から施行する」と書きます(新居浜市の例)。

規約を変えたら、会員全員に新しい規約を配る必要がありますか。 配る決まりは、法令で確かめられていません。私たちは、改正後の全文を1部作り直して会員に配ることをすすめます。古い規約と新しい規約が混ざると、次の役員がどちらを使えばよいか迷うからです。

出典

  • 地方自治法(e-Gov 法令検索)。第260条の3第1項(規約の変更は総構成員の4分の3以上の同意。規約に別段の定めがあれば別)、同第2項(市町村長の認可を受けなければ効力を生じない)、第260条の15(総会の通知は少なくとも5日前)。2026年10月27日に確認。
  • 地方自治法施行規則(e-Gov 法令検索)。第22条第1項(規約の変更の認可の申請に添える書類)。2026年10月27日に確認。
  • 新居浜市『規約改正総会資料の例』(規約変更認可申請 pg.26、PDF)。新旧対照表の左右、改正箇所の下線、附則、改正の理由の置き方。
  • 川崎市『町内会・自治会の設立に向けて』(PDF)。規約の一部改正の手続き(PDF 1枚目)、規約参考例 第10条・第11条・第13条・第17条・第19条・第28条・第30条と附則(PDF 2〜5枚目)、総会の開催通知(PDF 6枚目)、総会議事録例(PDF 8枚目)、任期と会費の書き方(PDF 10枚目)。
  • 静岡市『認可地縁団体の告示事項や規約の変更』(ページ)。規約変更の書類、総会の前の相談、告示事項変更届出書、内部規程の変更は申請不要、認可までは効力が生じないこと。
  • 大田区『認可地縁団体(自治会・町会の法人化)』(ページ)。規約変更の書類の様式と記載例。
  • 北秋田市生活課『北秋田市 認可地縁団体用 自治会 規約例(解説つき)』(PDF)。第37条(規約の変更)。
  • 神戸市『2 自治会規約(会則)』規約例1・2(PDF)。規約例2 第25条(全会員の3分の2以上)。

この記事はAIが下書きし、運営者が内容を確認して公開しています。制度や手続きは自治体や団体の規約によって異なります。