1月の役員会で、4月の総会に規約の変更を1つ出す話になりました。欠席する人が、メールでも賛否を出せるようにする変更です。では、何人の賛成が要るのか。規約を開くと「総会員の2分の1以上」「出席した会員の過半数」「4分の3」が並んでいます。去年の議事録には「出席者21名(本人出席11、委任状6、書面表決書4)」とあります。

総会の数は2段で決まります。法人でない自治会は、規約がすべてです。法人の自治会(認可地縁団体)は、規約の上に地方自治法が乗ります。法人が規約を変えるには、規約に別段の定め(別の決め方)が無ければ会員全体の4分の3、30人の会なら23人の賛成が要ります。出席とみなす数が去年と同じ21人なら、全員が賛成しても届きません。

総会が成り立つのに要る最低の出席数を、定足数といいます。以下、会員の数、定足数、普通の議決、規約変更の4つの数を、規約から書き出す順に答えます。私たちは自治会の会計の道具を作る会社で、弁護士ではありません。条文と規約例は原文から引き、私たちの提案はそうと書きます。

うちの自治会は法律と規約のどちらに従う? 法人かどうかで変わります

一宮市の手引は「任意団体である町内会(法人格を持たない団体)には、運営について法律等で決められたルールはありません」と書いています(p.1)。法人でない自治会なら、何人で成り立ち何人の賛成で通るかは、規約の文面がすべてです。

法人の自治会は違います。総務省の2025年3月28日の事務連絡によれば、総会の議決手続は地方自治法の条文で決まっています。挙げているのは「第260条の13から第260条の19の2」です。法人かどうかは、収支報告書の記事にある財産目録の節で見分けられます。分からなければ市の窓口で確かめられます。

それでも、法人の総会の数がすべて法律で決まるわけではありません。法人向けの取手市の規約例も、第19条の留意点にこう書きます。「総会の定足数については、地方自治法において特に定められていません」。私たちが第260条の2〜第260条の49を読んだ範囲で、総会の数に割合まで決めているのは4つでした。規約の変更・解散・合併に要る4分の3と、臨時総会を請求できる5分の1です。合併の4分の3は第260条の39第2項で、2023年4月1日に施行されました。

法人でない自治会と、法人の自治会

法人でない自治会

  • 総会の決まりは規約がすべて
  • 定足数・議決の割合も規約
  • 規約に無いことは役員会で相談して決める

法人の自治会(認可地縁団体)

  • 規約の上に地方自治法が乗る
  • 規約の変更・解散・合併は会員全体の4分の3(規約に別段の定めがあれば別)
  • 定足数と普通の議決は規約

何人いれば総会は成り立つ? 「2分の1以上」と「過半数」は30人で1人違う

取手市の規約例第19条は「総会は、総会員の2分の1以上の出席がなければ、開会することができない」です。燕市の手引きは「規約等で定足数の定めがあれば、それを満たしているか確認が必要です」と書きます(p.9)。定めの無い規約もあり得る、ということです。

言い方で数が変わります。「2分の1以上」は半分ちょうどを含むので、会員30人なら15人。「過半数」は半分を超える数なので16人です。31人の会なら半分は15.5人で、どちらでも16人になります。

委任状と書面表決書(欠席する人が賛否を紙に書いて出すもの)を出席に数えるかも、規約しだいです。取手市の規約例は第22条2項でこの人たちを「出席したものとみなす」とし、第19条の留意点で定足数に含むと説明しています。法人に限らない新潟市西区の規約例第22条2項も同じ形です。この条文が無ければ、役員会で確かめてから数えることを私たちはすすめます。

分母の会員は、法人なら個人で数えます(地方自治法第260条の2第2項第3号)。法人でなければ世帯で数える規約もあり、取手市の留意点は「表決権を有する会員」と書く例を挙げています。

去年の数で確かめます。本人出席11、委任状6、書面表決書4で、出席とみなす数は21人。定足数が15人でも16人でも成立です。総会資料と議事録の記事で使った例と同じ数字にしました。

開会の前に定足数を確かめる4段
  1. 規約の総会の章で、定足数の割合と言い方を見る
    「以上」か「過半数」かも読みます
  2. 会員の数に割合をかけて、定足数を出す
    法人なら会員は個人で数えます
  3. 本人出席・委任状・書面表決書を数える
    規約で出席に数えるものを足します
  4. 出席とみなす数が定足数以上かを確かめ、司会に伝える

議案が通る数は、規約の「〜の過半数」の「〜」で決まる

取手市の規約例第20条は「出席した会員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる」です。一方、燕市の手引きにある書面表決書の例は「有効票の過半数の賛成と認めた場合に可決します」です(p.48)。同じ過半数でも分母が違います。

出席とみなす21人で、第5号議案が賛成10・反対8・棄権3だったとします。「出席した会員の過半数」なら、21の過半数で11人が要り、否決です。「有効票の過半数」なら、分母は賛成と反対の18人。過半数は10人なので可決です。

同じ票を、2つの規約で数える

規約の言い方分母可決に要る賛成賛成10のとき
出席した会員の過半数出席とみなす21人11人否決
有効票の過半数賛成10+反対8=18人10人可決

表は指で横に動かすと、右の列が見えます

会員30人の自治会を例にした数字。規約の言い方は取手市の規約例と燕市の書面表決の例から

これは規約の文言どおりに数えた計算です。棄権の一般的な扱いを定めた資料は、見当たりませんでした。議決の条文では、まず「〜」に何と書いてあるかを見ます。可否同数のときは、議長が決めるのが取手市の規約例です。留意点は、議長が「会員としての固有の表決権を行使するほかに、議長としての表決権も行使することができる」とします。

委任状は代理人の1票、書面表決書は議案ごとの賛否として数えます

紙の違いは総会資料の記事で比べました。ここは数え方だけです。

委任状の票は、代理人が会場で挙げる手に入ります。書面表決書は、本人の書いた賛否を、議案ごとの賛成か反対に足します。ただし書面表決は「あらかじめ通知された事項について」です(取手市・新潟市西区の規約例第22条)。案内文にある議題にだけ足せます。

会場の賛成・反対・棄権を足した数は、本人出席と委任状の数(去年なら11+6で17)と同じはずです。議案ごとに確かめる考え方は議事録の記事にあります。同じ人から2枚届いた、委任状を出した人が当日来た。どちらを数えるかの決まりは見つけられず、規約と役員会で先に決めておくしかありません。

法人がメールなどの電子の表決を使うには、規約か総会の決議が要ります(第260条の18第3項。2021年9月1日施行)。総務省の2021年11月5日の事務連絡は、規約で定める場合について答えています。第260条の18第4項で「規約が優先的に適用される」ため、書面と代理人の規定がすでにあっても、電子の表決を足す規約の変更が要るとしています(問9)。総会の決議による場合は、時期や方法に「法令上特段定めはありません」とし、1回で以後続けて使うことも、毎年決めることもできます(問10)。

導入の例のように書面と代理人の条文がすでにある会が規約を変えるなら、会員全体の4分の3、30人で23人が要ります。規約に別段の定めがあれば、それに従います(第260条の3第1項)。総会の決議で足りるかには、事務連絡は直接答えていません。総会の決議なら、「出席した会員の過半数」の規約で21人の出席のとき11人です。どちらで決めるかは、市の窓口に確かめてください。

名簿の1行に1人ずつ「出欠の区分」を選ぶと、定足数と議案ごとの「可決に要る賛成」が出る集計表を作りました。総会資料と議事録の記事の表は、数を手で入れる形でした。この表は名簿から数え、定足数の言い方や議決の分母を規約に合わせて切り替えられます。

自治会_総会の出欠と表決の集計表.xlsx の見本。1 枚目のシートの上部自治会_総会の出欠と表決の集計表.xlsxExcel 2016 以降、および Google スプレッドシートで開けます。シートは「使い方」「規約の数」「名簿と出欠」「議案ごとの集計」の4枚です。テンプレートをダウンロード
自治会_総会の出欠と表決の集計表_記入例.xlsx の見本。1 枚目のシートの上部自治会_総会の出欠と表決の集計表_記入例.xlsxこの記事の30人の会の数字を入れた記入例です。第6号の規約の変更は、可決に要る賛成23に届かず否決と出ます。規約の数で議決の分母を「有効票」に替えると、第5号が否決から可決に変わります。テンプレートをダウンロード

「名簿と出欠」の「確かめ」の列に「同じ名前が2行ある」と出たら、二重の提出を疑います。「議案ごとの集計」では「出席とみなす数」「定足数」「総会の成立」と、議案ごとの「結果」「数の確かめ」が出ます。

規約を変える・解散するときは、会員全体の4分の3が要ります

法人の規約の変更には「総構成員の四分の三以上の同意」が要ります(地方自治法第260条の3第1項)。解散の決議も「総構成員の四分の三以上の賛成」です(第260条の21)。どちらも規約に別段の定めがあれば、それに従います。

規約変更の4分の3は、出席者ではなく会員全体から出します。 30人なら30×3/4で22.5人、つまり23人。出席とみなす数が21人なら、全員賛成でも届きません。規約を変える年は、案内文に議題を書き、書面表決書を先に多く集めることを私たちはすすめます。変更は市町村長の認可で効力が出ます(同条第2項)。

取手市の規約例の留意点は、4分の3を「引き下げることには慎重であるべき」とします(第36条)。法律に割合の無い財産の処分も、第31条の留意点は「総会の特別の議決(4分の3以上の議決)により行うことが適当」とします。総務省の2025年3月の事務連絡は、規約の変更・財産処分・解散の議決を世帯単位の表決にすることは「認められない」としています。

総会の数の早見表(会員30人の例)

決めること法人の自治会(地方自治法)法人でない自治会会員30人なら
定足数法律に定めなし。規約で決める規約で決める2分の1以上なら15人、過半数なら16人
普通の議決(予算・決算・役員)法律に定めなし。規約で決める規約で決める出席とみなす21人の過半数なら11人
規約の変更総構成員の4分の3以上(第260条の3。規約に別段の定めがあれば別)規約で決める23人
解散総構成員の4分の3以上(第260条の21。同上)規約で決める23人
合併総構成員の4分の3以上(第260条の39第2項。同上)規約で決める23人
臨時総会の請求総構成員の5分の1以上(第260条の14。規約で割合を変えられる)規約で決める6人
総会を開かない書面決議構成員全員の承諾(第260条の19の2)規約で決める30人全員の承諾

表は指で横に動かすと、右の列が見えます

出典: 地方自治法(e-Gov法令検索)、取手市『認可地縁団体 規約例と作成上の留意事項』第19条留意点。人数は会員30人の自治会を例にした数字

法人でない自治会の欄が全部「規約」なのは、一宮市の手引のとおり、法律に決まりが無いからです。

本人が関わる議案は本人抜きで決め、30人の会なら6人の請求で臨時総会を開く

法人では、会と特定の会員との関係を決める議案に、その会員は「表決権を有しない」とされています(第260条の19)。線引きに迷えば市の窓口に聞きます。

臨時総会は、総構成員の5分の1以上から目的を示して請求があれば、代表者が招集しなければなりません(第260条の14第2項)。30人なら6人。割合は規約で変えられます。ただ取手市の留意点は「会員の総会招集を求める権利を奪うこととならないよう留意する必要があります」としています。法人でなければ、規約の条文を見ます。

集まれない年に書面だけで決めるなら、法人は全員の承諾が先

法人は2022年8月20日から、総会を開かずに書面や電子で決議できるようになりました(総行市第88号)。条件は「構成員全員の承諾があるとき」で(第260条の19の2第1項)、総会の決議と同じ効力を持ちます(同条第3項)。電子なら、方法の種類と内容を先に示して承諾を得ます(施行規則第22条の2の2第1項)。

30人の会なら30人全員です。1人でも欠ければ、総会を開いて書面表決と組み合わせます。総務省の2025年3月の事務連絡の別添に、取手市双葉自治会の例があります。2024年9月の総会は、出席55名・書面表決書958名でした。

法人でない自治会は規約に従います。船橋市は、書面の賛否の「意思表示の数によって議決し、総会の代替とする方法も想定されます」と案内しています。また、手続きを周知して「会員の承諾を得ておくことが望まれます」と添えています。柏市も「書面のみでの開催」の手順を載せています。ただ、規約に書面の定めが無い場合の扱いには、どちらも触れていません。規約に書面表決の条文が無ければ、条文を足すかを役員会で相談し、市の窓口に聞くのが先だと私たちは考えています。

定足数に届かなかったら、その日は決めない

取手市の規約例は「開会することができない」です。届かなければ、その日は議決しません。新年度の予算が決まるまでの支出には、規約例に定めがあります。取手市と新潟市西区の第33条2項は「前年度の予算を基準として収入支出をすることができる」です。開き直す手続きは規約と役員会で決め、法人なら市の窓口に相談します。届かないまま決めた場合の扱いは、確かめた資料に答えがありませんでした。

防ぐには、委任状と書面表決書の締切を総会の2日前に置き、前日に数えます(総会資料の記事の日程)。前日に15人へ届いていなければ、まだ電話で頼めます。

今日は、規約の総会の章を開き、定足数と議決の言い方を集計表の「規約の数」に写してください。4つの数が紙に並べば、役員会で聞かれても条文を指して答えられます。

よくある質問

委任状は定足数に含めてよいですか。 規約しだいです。取手市の規約例は、書面表決と委任の人を「出席したものとみなす」とし(第22条2項)、定足数に含むと説明しています。この条文が規約に無ければ、役員会で確かめてから数えることを私たちはすすめます。

棄権した人は、賛成と反対のどちらに数えますか。 一般的な扱いを定めた資料は見当たりませんでした。「出席した会員の過半数」と書く規約を文言どおりに数えると、棄権の人も分母に残り、棄権が多いほど通りにくくなります。「有効票の過半数」なら分母は賛成と反対だけです。

白紙の委任状(代理人の名前が無い)は、どう扱えばよいですか。 委任状の文面と規約で決まります。配る前の委任状に「代理人の記載がないときの扱い」を書いておくことを、私たちはすすめます。

拍手や「異議なし」で決めてもよいですか。 規約に採決の方法の定めがあれば従います。会員全体の4分の3が要る議案では、拍手だと数が残りません。挙手か書面で賛成の数を数え、議事録に書くことをすすめます。

法人の自治会で、役員の選任を世帯で1票にしてもよいですか。 総務省の2025年3月28日の事務連絡は、代表者や監事の選任を世帯単位とするのは「適当とは考えられません」とし、規約の変更・財産処分・解散は認められないとしています。

出典

  • 地方自治法(e-Gov法令検索)。第260条の2、第260条の3、第260条の13〜21、第260条の39。
  • 地方自治法施行規則(e-Gov法令検索)。第22条の2の2。
  • 取手市『認可地縁団体 規約例と作成上の留意事項』(PDF)。第16・19・20・22・31・33・36条と留意点。
  • 総務省 事務連絡『認可地縁団体における総会の議決手続に係る質疑応答等について』令和7年3月28日(PDF)。
  • 総務省 事務連絡『認可地縁団体制度の改正に係る質疑応答について』令和3年11月5日(PDF)。問9・問10。
  • 総務省 通知『地方自治法施行規則の一部を改正する省令の公布について』総行市第88号(PDF)。
  • 一宮市『町内会 会計事務の手引』(PDF)。p.1。
  • 新潟市西区『自治会・町内会ハンドブック ~資料編~』(PDF)。規約例第22条・第33条。
  • 燕市『自治会の手引き 令和8年度版』(PDF)。p.9、p.48。
  • 船橋市『町会・自治会における定期総会等の開催について』(ページ)。
  • 柏市『町会等における総会の開催』(ページ)。

この記事はAIが下書きし、運営者が内容を確認して公開しています。制度や手続きは自治体や団体の規約によって異なります。